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お尻が急に腫れて痛い|血豆のようなしこり・脱出・膿の見分け方を女医が解説

浜松市・女性専門の大腸肛門科/女医が解説

昨日まで何ともなかったのに、
急に腫れて痛い。

おしりが急に腫れて痛むとき、原因の多くは3つに絞られます。どれも珍しい病気ではありませんが、放っておいてよいものと、待っていては治らないものがはっきり分かれます。見分け方から順にご説明します。

この記事のまとめ

  • 肛門のふちに血豆のようなしこりが急にできたら、血栓性外痔核のことが多いです
  • 脱出したまま戻らず激痛なら嵌頓痔核。無理に押し込まないでください
  • 発熱を伴うズキズキは肛門周囲膿瘍。待っていても治りません
  • 腫れているのに痛くないときは、痔とは別の原因のことがあります

「なんとなく、お尻が重い感じがする」 「違和感があって触ってみたら、何か腫れている!?」

昨日までは何ともなかったのに、急にお尻にトラブルが起きるとパニックになってしまいますよね。強い痛みがある場合もあれば、痛みはないけれど異物感がある場合など、症状は様々です。 お尻は自分では直接見ることができない場所だからこそ、不安も大きくなるもの。 今回は、急な「お尻の腫れ」で考えられる主な原因と、その対処法について解説します。

まずは見分け方から

急な腫れで受診される方の大半は、次の3つのいずれかです。あてはまるものを探してみてください。

血栓性外痔核嵌頓痔核肛門周囲膿瘍
きっかけ力仕事・長時間の座位・便秘や下痢のあと排便で強くいきんだあとはっきりしないことが多い
場所肛門のふち肛門から脱出している肛門のまわり〜おしりの奥
見た目青紫〜黒っぽい血豆のよう赤黒く腫れて戻らない赤く腫れる/外から見えないことも
発熱なしなしあることが多い
痛み方動くと痛い。数日がピーク持続する激痛ズキズキ。夜も眠れないことがある
自然に治るか少しずつ吸収されていく戻らないことがある治らない(処置が必要)
※ 目安です。実際の診断は診察によります。

原因1:血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)

お尻にできた「血豆」

お尻の出口付近(肛門の縁)に、急にパチンコ玉~親指大くらいの大きさのしこりができる状態です。 これは簡単に言うと「お尻にできた血豆」です。指をドアに挟んだら血豆ができるのと同じように、お尻の血管に急激な負担がかかることで起こります。

  • きっかけ:ひどく息んで排便した後、重いものを持った時、長時間のデスクワーク、お尻が冷えた時など。
  • 症状:触るとコロコロと硬く、鏡で見ると皮膚から透けて青黒い血豆が見えます。痛みは「激痛」から「軽い違和感」まで人それぞれです。

対処法

基本的には良性のものなので、自然に吸収されて小さくなるのを待つことが多いです。痛みは3日程度でピークを越え、徐々に引いていきます。 ただし、痛みが強すぎて座れない場合や、皮膚が破れて出血している場合は、局所麻酔をして血栓を取り除く処置を行うと楽になることがあります。

原因2:嵌頓痔核(かんとんじかく)

脱出したイボが戻らなくなった状態

もともとあった内痔核(いぼ痔)が、排便時のいきみで肛門の外に飛び出し、そのまま戻らなくなってしまった緊急事態です。 脱出した痔核が肛門の筋肉(括約筋)によって首を絞められる状態になるため、うっ血して大きく腫れ上がり、激しい痛みを伴います。

対処法

無理に押し込もうとせず、早めに受診してください。 治療は、可能な限り肛門内に戻す(還納)処置を行い、腫れを引かせるための強力な軟膏や内服薬を使用します。痛みが強いため、安静が必要です。

原因3:肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)

お尻の中に「膿」が溜まる感染症

排便のタイミングとは関係なく、ズキズキとした痛みと腫れが出現します。 肛門の奥にある小さなくぼみから細菌が入り込み、化膿して膿が溜まってしまう病気です。

  • 症状:熱を持ったしこり、境界がはっきりしない腫れ、38度以上の発熱が出ることもあります。下痢をしやすい方に多いのが特徴です。

対処法

これは「待っていても治らない」病気です。放っておくと膿のトンネル(痔ろう)が複雑化したり、細菌が全身に回ったりする危険があります。 治療の基本は、切開して溜まった膿を出し切ること(排膿)です。膿が出れば、嘘のように痛みは楽になります。

腫れているのに痛くないとき

「できものはあるけれど痛くない」「押すとぶよぶよする」という場合は、急性の痔とは別の原因を考えます。急いで処置が必要になることは多くありませんが、放っておいて小さくなるものばかりでもありません。

考えられるもの特徴
スキンタグ(肛門皮垂)やわらかい皮膚のたるみ。痛みはなく、拭きにくさが気になることが多い
粉瘤(ふんりゅう)皮膚の下にできる袋。中央に小さな黒い点が見えることがある。感染すると赤く腫れて痛みます
毛巣洞(もうそうどう)おしりの割れ目の上あたりにできる。毛が皮膚の下に入り込んで炎症を起こしたもの
いぼ状のできものウイルスが関わるものもあり、見た目だけで判断せず診察が必要です

関連コラム:スキンタグ(肛門皮垂)とは?痛くないできものの正体

風邪や発熱のあとに、お尻が痛くなるのはなぜ

「風邪をひいたらおしりが痛くなった」というご相談は、思いのほか多くいただきます。偶然ではなく、いくつか理由があります。

  • 抵抗力が落ちる…もともと持っているヘルペスウイルスが再び活動したり、肛門のまわりで細菌の感染が起こりやすくなります
  • 下痢を伴う…回数の多い水様便は肛門の皮膚を荒らし、切れ痔やヒリヒリした痛みを招きます
  • 寝込んで動かない…長時間同じ姿勢でいると、肛門のまわりの血流がとどこおります

発熱が続いていて、しかもおしりがズキズキ痛む場合は、肛門周囲膿瘍の可能性があります。風邪のせいだと考えて様子を見てしまいやすい組み合わせですので、ご注意ください。

そのほかに考えられるもの

小さな水ぶくれが集まっている(おしりのヘルペス)

ピリピリ・チクチクした感覚が先にあり、あとから小さな水ぶくれがまとまって出てくるのが特徴です。疲れや発熱をきっかけに繰り返すことがあります。早い段階で治療を始めたほうが経過が良いとされていますので、心当たりがあれば早めにご相談ください。

下痢のあとにヒリヒリ痛む

回数の多い下痢のあとは、肛門の皮膚が荒れて切れ痔や肛門炎を起こしていることがあります。この場合はしこりではなく、排便のときに走るような痛みが中心になります。

外からは何も見えないのに、奥のほうが痛い

肛門の奥がキューっと締めつけられるように痛み、数分でおさまる——という症状は、肛門まわりの筋肉のけいれんによるものと考えられています。夜間に起こることが多く、体の姿勢を変えたり温めたりすると楽になります。繰り返す場合や、出血・発熱を伴う場合は別の原因を確かめる必要があります。

がんの心配はありませんか

急に腫れて痛むという経過で悪性のものが見つかることは、多くはありません。ただし、硬いしこりが少しずつ大きくなる・出血が続く・体重が減るといった変化があるときは、確かめておいたほうが安心です。不安を抱えたままにせず、一度診察を受けてください。

市販薬で様子を見てもいい?

痛みや腫れをやわらげる目的で市販薬を数日使うことは、間違いではありません。ただし次の場合は市販薬では対応できません

  • 発熱を伴う(膿がたまっている可能性があります)
  • 脱出したものが戻らない
  • 痛みが日ごとに強くなっている
  • 小さな水ぶくれが集まっている

とくに膿がたまっているときは、塗り薬では中の膿は出ていきません。「市販薬で様子を見ていたら悪化した」というのは、当院でもよくうかがうお話です。

受診の目安

できるだけ早く受診していただきたいとき

  • 発熱がある、寒気がする
  • 座れない・眠れないほど痛い
  • 脱出したものが戻らない
  • 日ごとに腫れが大きくなっている

数日のうちに受診をおすすめするとき

  • 血豆のようなしこりができ、痛みが引いてこない
  • できものが繰り返しできる
  • 出血が続いている
  • 痛くないが、しこりが大きくなってきた

自己判断は禁物!まずは専門医へ

「ただの痔だろう」と思って市販薬で様子を見ていたら、実は感染症(ヘルペスやコンジローマ)だった、あるいは稀ですが悪性腫瘍(がん)だったというケースもゼロではありません。 Aicoレディースクリニックは、医師もスタッフも全員女性です。 「お尻を見せるのが恥ずかしい」という方も、プライバシーに配慮した環境で診察を行いますので、一人で悩まずにご相談ください。

よくあるご質問

お尻に血豆のようなものができました。潰してもいいですか?

ご自分で潰さないでください。中身は血のかたまりで、無理に出そうとすると傷から細菌が入ります。多くは数日で痛みのピークを越え、少しずつ吸収されていきます。痛みが強い場合は、処置で楽になることもありますのでご相談ください。

「血豆(血栓性外痔核)」と言われました。手術しないと治りませんか?

必ずしも手術が必要なわけではありません。多くは軟膏を使いながら安静にしていれば、自然に吸収されて小さくなっていきます。ただし「痛くて座れない」「早く楽になりたい」という場合や、皮膚が破れて出血している場合は、局所麻酔をして中の血栓を取り除く処置を行うことがあります。その場で痛みが楽になる方が多い処置です。

急に腫れて痛いとき、冷やすのと温めるのはどちらがいいですか?

基本は温めるほうが楽になる方が多いです。おしりの痛みは血流のとどこおりが関わっているためで、ぬるめのお湯にゆっくり浸かると和らぎます。ただし発熱を伴うときは膿がたまっている可能性がありますので、温めるより先にご相談ください。

飛び出したものが戻りません。押し込んでもいいですか?

やさしく戻せる範囲であれば構いませんが、痛みが強くて戻らないときは無理をしないでください。強く押すと粘膜を傷つけます。腫れが進むと戻しにくくなりますので、早めに受診していただくほうが結果的に楽です。

市販薬は効きますか?

痛みや腫れをやわらげる目的で数日使うことは間違いではありません。ただし、発熱がある、脱出が戻らない、日ごとに悪化している、水ぶくれが集まっている——これらの場合は市販薬では対応できません。

痛くないできものは、放っておいても大丈夫ですか?

急いで処置が必要になることは多くありませんが、自然に小さくなるものばかりでもありません。粉瘤や毛巣洞は、感染を起こすと急に赤く腫れて痛みます。大きくなってきた場合は一度診せてください。

熱があってお尻が痛いのですが、何科にかかればいいですか?

肛門科(大腸肛門科)です。発熱とおしりのズキズキした痛みが重なる場合、肛門のまわりに膿がたまっていることがあります。この状態は塗り薬では治らず、処置が必要になります。

座ると痛くて仕事になりません。どうすればいいですか?

円座やクッションで患部が直接当たらないようにし、こまめに立ち上がって姿勢を変えてください。ただしこれは応急的な対応です。座れないほどの痛みは受診の目安にあたりますので、我慢して続けないでください。

血栓性外痔核はどのくらいで治りますか?

痛みは数日でピークを越えることが多く、しこりは数週間かけて少しずつ小さくなっていきます。しこりの跡が皮膚のたるみとして残ることもありますが、痛みがなければ急いで処置する必要はありません。

診察では何をしますか。恥ずかしいのですが。

問診で経過をうかがい、肛門の状態を目で見て確認します。必要に応じて指での診察を行います。左側を下にした横向きの姿勢で、必要な部分以外はタオルで覆いますので、体が見えている時間はごくわずかです。痛みが強いときは無理に行いません。

女性の医師に診てもらえますか?

当院は女性専門の大腸肛門科で、医師・看護師・受付まですべて女性です。男性の患者さまもいらっしゃいませんので、待合室で顔を合わせることもありません。

痛みが強いときは、我慢せずにご相談ください

おしりの急な腫れは、原因によって「待ってよいもの」と「待ってはいけないもの」がはっきり分かれます。見分けは診察をすればその場でつくことがほとんどです。浜松市のAico(あいこ)レディースクリニックは女性専門の大腸肛門科です。痛みが強いときは、受診をためらわないでください。

この記事の監修

Aico(あいこ)レディースクリニック 院長 医学博士

  • 日本外科学会 専門医・指導医
  • 日本大腸肛門病学会 専門医・指導医・評議員
  • 日本臨床肛門病学会 専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会 専門医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医
  • 日本がん治療認定医

「あれっ?」と感じたら

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、症状や治療効果には個人差があります。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。

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