尿失禁
自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう症状です。40歳以上の女性の4割以上が経験しており、実際に悩んでいる方は多いですが、恥ずかしさから我慢されていることも多いです。
便失禁
尿失禁同様、自分の意に反して便が漏れる症状です。漏らしてしまったという恥ずかしさや、その事実を認めたくないという気持ちから誰にも相談できずに一人で悩んでいる方が少なくありません。
また気付かない間に漏れてしまうのではないかという不安感から他人との接触を避けて家にこもりがちになるため、社会からの孤立を招いているケースもあります。一方、病院を受診しようと決意しても、どの病院の何科に行けば分からない、治療や検査についての情報も見つけることができずに、結局病院に行けずじまいという方も多いようです。便失禁で病院を受診した患者さんのアンケートでは65%の人が人生を楽しめなかったと回答しています。(日本メドトロニック調べ、2009)便失禁は命にかかわる病気ではありませんが、便漏れの不安や心配を抱え、精神的負担となり、生活の質を損なう結果を招くことが大きな問題です。
漏れの症状は、高齢者の病気と思われがちですが、実は、若い方でも悩んでいらっしゃる方は多いです。もちろん、加齢とともに筋力が落ちることで、失禁のリスクは上がりますが、女性には妊娠出産といったライフイベントが起こりえます。分娩回数、鉗子分娩、胎児が大きかったことによる会陰裂傷などが、失禁のリスク因子になります。自然分娩で出産した際に、肛門括約筋やこれに関連する神経がダメージを受けることで失禁を生じることがあります。ほとんどは分娩直後に症状が現れますが、何年もたってから症状が現れることもあります。その他、直腸や肛門の術後、毛陰茎の病気、過敏性腸症候群、はたまた便秘も失禁の原因となることがあります。
Tips診察の手順
- 問診まずは今までの経緯を教えていただいたうえで、失禁のスコアをつけます。→WEXNER、FISI、ICIQ-SF、FIQLS
- 診察ベッドに左側を下にした横向きに寝ていただいて、軽く膝を曲げた状態で診察します。まずは肛門を目で見て観察し、異常がないかを確認した後、潤滑ゼリーを付けて、指で診察です。ゆっくりとリラックスして、力を抜いた姿勢でお受けください。続いて、合図でおしりを占めてもらい締まり具合などを確認します。最後に肛門鏡を挿入して肛門の中の様子を診察します。
- 結果説明衣類を整えて、診察結果をお話します。診察までの段階で状態をお話し、今後の検査や治療の計画を立てます。病状により、今後の治療計画は改めてお話しすることもあります。
- 検査基本的に、肛門超音波検査、肛門内圧検査を行います。場合におり、内視鏡検査などを追加で行うことがあります。
便失禁・尿失禁に対する新たな可能性
高密度焦点式超音波治療(ハイフ)について High intensity focused ultrasound (HIFU)
虫めがねで太陽の光を一点に集めるのと同じように、エネルギーを1点に集約させることで、目的の深さにピンポイントで最適な熱エネルギーを当てる方法です。皮膚や粘膜へのダメージがなく、これまでのレーザーでは届かなかった更に深い層にまで効果を発揮できます。
HIFU治療はもともと、前立腺やがん治療に用いられたテクノロジーです。現在では、パーキンソン病の治療や前立腺肥大、また心房細動など、急速にその可能性が拡がりつつある治療技術です。また、美容界では顔のたるみの改善で使用されています。
そんな中、膣HIFUといった治療法が考案され、膣のゆるみや縮小効果、しまりの改善目的で使用されるようになりました。膣HIFUを行うことで、尿漏れや過活動性膀胱、そして便失禁の改善が認められることが分かりました。より、失禁に対する有効性を高めるため、盛岡にある鈴木肛門外科・守口内科の鈴木俊輔先生が考案された、肛門にHIFU治療を行う方法について研究され、とても良い成績が発表されています。肛門周囲の筋肉に熱エネルギーを与えることで、骨盤底を支える筋肉全体の機能を向上させることが期待されます。
色々な方法を試したけれど、改善しない失禁症状、骨盤下垂症状でお悩みの方は、一度ご相談ください。
あいこレディースクリニック 大腸肛門外科
※基本予約制(緊急時はご相談ください)
〒432‐8021 静岡県浜松市中央区佐鳴台2-22-7定休日:火曜・日曜・祝日
診療時間:午前 9:00 – 12:00 午後15 :00 – 17:00
〇 一般診察
☆ 一般診療・検査・手術
時間月火水木金土日9:00 ~ 12:00〇休み〇〇〇〇休み13:00 ~ 15:00☆休み☆☆☆☆休み15:00~17:00〇休み〇〇〇〇休み